このページでは元プロバイダー社員がモバイルWiFi、WiMAXや楽天モバイル、ソフトバンク系の物理SIM搭載のレンタルWiFi、クラウドSIM対応WiFiなどのポケットWiFiの通信速度を計測した結果を発表します。
コロナ禍でテレワーク需要増に伴うインターネット環境について
新型コロナウイルス感染拡大の結果、人々の仕事の仕方、場所など大きく変化しました。
出張や出社を抑制されたことでテレワークやオンライン会議などインターネットを使ったオンラインサービスの普及が進んだことは言うまでもないでしょう。
フリーアドレスで自分のデスクを持たないだけでなく、自宅から会議に参加するなど新しい働き方が広がり、新型コロナウイルスの感染が収まったとしてもこの流れは変わらないという意見が大半です。
都心に集まっていた企業に勤める人口も、いずれは地域に分散していくことが考えられ、必要に応じて都心部に通勤するなど働く人の動き方も変わっていくことが考えられます。
そうなると、自分の働く会社だけでなく自宅やカフェ、貸し会議室でもパソコンを開いて仕事をすることが増えていきます。
あくまで仕事としてインターネット環境を使うわけですが、セキュリティはどうしても気になる部分です。
近年、シンクライアントといってリモートデスクトップといった形でHDDを持たないパソコンから会社のサーバーにアクセスし、データの抜き取りなどを防止するセキュリティの守りながら働く動きも見られます。
カフェや公衆無線LANのインターネット環境では通信が傍受される可能性があるのでほとんどの会社はそのようなネット環境ではアクセスを禁止しています。
自宅でもセキュリティの確保まで会社は口出しできないことがありますし、個人でセキュリティを確保した設定は難しいため、会社が高速モバイル端末を貸し出すような形で社員にモバイル環境を確保する取り組みが進んでいます。
そういった中で、モバイルWiFiサービスはWPS、SSIDなどで指定の端末だけにしかアクセスさせないようなセキュリティは確保可能です。支給する端末にもセキュリティ設定を強化しておくこともできるでしょう。
その上で、円滑に仕事を行うためにも通信速度や接続の安定性は重要です。必要なデータの送受信、オンライン会議などで通信が途絶えることは避けたいので安定した通信は重要となってきます。
このページではモバイルWiFiサービスの通信速度を同時に比較するなどし安定したモバイルWiFiはどういったものか分析、解説しています。
なお、自宅で仕事をするためにホームルーターの電源を入れるだけでネットに繋げられる置くだけWiFiを使うことも想定されますが、ここではモバイルWiFiサービスのみの速度を調査しました。
自宅でリモート接続して仕事をするなら光回線のインターネットプロバイダーの速度も見ながら検討をしてみてください。
そのときそのときで変わる市場やサービス運用などを踏まえ、随時、モバイルWiFiサービスの速度を比較していますので参考になれば幸いです。
高速モバイルWiFiの速度
モバイルWiFiルーター等を利用した高速モバイルインターネットサービスは2020年頃から非常に多くの事業者が参入しました。
どこよりもWiFiといった月間通信量を決めて安い料金で提供するクラウドSIM対応WiFiが販売されたことを皮切りに一気に増えてきています。
どのようなWiFiサービスがあるか、そのあたりからご確認いただきたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
以下より通信速度について考え方などを解説していきます。
下り速度と上り速度
外でも自宅でも使えるモバイルWiFiサービスは本当にたくさんあります。メディアに多く露出しているものから、こじんまりとサービス展開しているもの、法人向けのみに販売しているものなど事業者でいうと100社弱はあります。
モバイルWiFiを検討されている方はその中から選ぶわけですが、はやり気になるのは通信速度ですね。
速い速度でないと、どうしても使い物にならない、利用したいサービスが利用できないなど不自由なことが多くありますので、選ぶなら通信速度が速いものを選びたいのが本音でしょう。
通信速度はいわゆる”下り速度”です。ダウンロードをするときのスピード。動画の閲覧やオンラインゲームでの画面表示、画像の表示、インターネットサーフィンを行う上での情報の表示は基本的に下り速度のスピード次第で画面表示の速度が変わってきます。
一方で上りの速度は動画や音声のアップロード、画像やテキストデータを含むブログなどの投稿などです。
下りと上り、ダウンロードとアップロードの両方を使うのはオンラインゲームでのデータ送受信やLINEやオンライン海外などの画像や音声の双方のやりとりが発生するときです。
とはいえ、ほとんどのデータ通信は下り速度の比重が多いのでモバイルWiFiの速度では下り速度を重視して選ぶと良いでしょう。
速度の理論値
多くのモバイルWiFi、ポケットWiFiでは下り、上りの速度について速度が明示されています。これらは理論値となります。理論値は電波状況、データの輻輳、他社の影響がない場合に最大でこれだけ速度が出るという数字です。
あくまで理論値なので実際に理論値と同等の数字が出ることはありません。
現実的には理論値で示された数字の10分の1だったり、5分の1程度お速度になります。
以下は主なサービスの下り速度の理論値の一覧です。
サービス主体 | 下り最大速度 理論値 | 主なプロバイダー、WiFi事業者 |
WiMAX+5G | 2.7Gbps | UQ、とくとくBB、BIGLOBE、Broad WiMAX、他 |
楽天モバイル | 150Mbps | 楽天モバイル |
クラウドSIM対応WiFi | 150Mbps | Mugen WiFi、クラウドWiFi、クイックWiFi、他 |
ポケットWiFi(ソフトバンク)※ | 962Mbps、988Mbps | ワイモバイル、ソフトバンクAir(モバレコAir) |
モバイルWiFi(携帯キャリア端末)※ | 150~988Mbps | ギアWiFi、どこよりもWiFi、他 |
レンタルWiFi(超短期)※ | 端末により異なる | NETAGE、グローバルモバイル、他 |
※ソフトバンクのポケットWiFi、携帯キャリア系の端末、レンタルWiFiはソフトバンク、au、ドコモの回線を利用するため端末やキャリアにより速度は異なります
地域や場所による速度の違い
モバイルWiFi選びについて、速度は理論値として数字が示されますが、地域や使う場所によって全く速度が異なります。同じ基地局に接続するとしてもタイミングによって速度は異なりますし、同じ時間に速度を測っても速度が違う場合があります。
ネットワークには常にデータが流れており、どの基地局に繋がって、どういったネットワークに入るかによって、全く速度は異なります。
地球上の電波、ネットワークは常にデータが流れており、ネットワークのプロトコルによって混雑、輻輳を避けて、基本的にはだれもが安定した通信が行えるように制御されています。
良いときと悪いときはそのときの状況によってありますので使う場所、時間によって速度は全く違うという認識をもってモバイルWiFiを使う必要があります。
通信速度の計測条件
計測したモバイルWiFi一覧
これまで計測してきた、もしくは計測中のモバイルWiFi一覧になります。
- クイックWiFi
- それがだいじWiFi
- クラウドWiFi
- AiR-WiFi
- モバレコAir(ソフトバンクAir)
- NETAGE(短期レンタルWiFi)
- ギアWiFi
- 楽天モバイル
- 縛られないWiFi(WiMAX2+)
- Broad WiMAX+5G
- VISION WiMAX+5G
- どこよりもWiFi
- Mugen WiFi
- E-! WiFi
- グローバルモバイル(短期レンタルWiFi・ポケットWiFi)
計測地点
上記のモバイルWiFiを2週間~1ヶ月間使用し、主に以下の時間と場所を固定し、3地点、3つの時間帯において計測を行いました。
計測時間 | 計測地点 | 人口密集度 | |
計測1回目 | 午前 | 大船駅構内 神奈川県ターミナル駅 |
高い |
計測2回目 | 正午 | 藤沢駅構内 神奈川県ターミナル駅 |
高い |
計測3回目 | 午後(夕方) | 藤沢市郊外 | 低い |
この他にも、東京都内や神奈川県の横浜駅などでも計測を行った場合はその地点での時刻と場所を定めた上で計測結果を公開します。
計測方法
今回の計測方法はgoogleでスピードテストと検索すると表示される、「インターネット速度テスト」を利用します。
こちら、実際にはmeasurement labに接続され計測が行われ、下りと上りの通信速度結果が返されます。
通信速度の計測結果~複数のモバイルWiFi端末を同時に計測
以下の項目では過去計測したもの、そして現在計測中のものも含め速度計測結果をそのときの計測した時期別に発表しています。
当サイト、プロバイダー・ワンでは複数のモバイルWiFi端末を同タイミング、同じ場所で速度計測する「株式会社Crepas WiFi通信速度計測プロジェクト」を行っています。
上記した通信速度の計測条件で手元に通信速度を計測しました。
※なお、第1回目は計測時期はそれぞれの機種で計測日は異なっています。第2回目は同時タイミングでの計測になります。
第1回 通信速度計測結果
第1回目は以下の画像の通り、6つのモバイルWiFi事業者について計測を行いました。
計測日は2021年3月~6月の期間で実際に端末を手元に用意し、計測を行いました。
計測した端末とモバイルWiFi事業者
- AiR-WiFi
- U3
- それがだいじWiFi
- U3
- NETAGEレンタルWiFi
- G4 MAX
- モバレコAir
- ソフトバンクAirターミナル
- クラウドWiFi
- U3
- クイックWiFi
- U3
WiFi速度の下り速度の理論値は以下の通りです。回線の種別も掲載しています。
実測値の計測結果
合計3回の計測結果は以下の通りです。
以下、速度について考察していきます。
考察
今回の計測では多くの事業者がクラウドSIM対応WiFiとなっており、全体的に速度に対して大きな差はありませんでした。
実際にはクラウドSIMはクアルコムのチップ等が搭載されたU3という端末を多くの事業者が採用されていることと、MVNOとなっていることからどの事業者のWiFiを選んでも速度に対して大きな差はありません。実際にはクラウドSIMなのでそのタイミングによってドコモ、au、ソフトバンクの回線を自動選択されるので、どの回線につながっているかによって速度は異なります。
ですので、上記の図のように良いときもあれば速度が出ないときもあります。
クラウドSIM対応WiFiについて総じて、20Mbps前後の速度が出ていれば速度は速いほうで夕方や夜間は繋がりにくく、市街地の人口密集エリアにおいては2Mbps前後の速度しか出ないことがよくありました。
また、月末は通信制限にかかる容量を使い切ろうというユーザーが増えることもあり繋がりにくい傾向にあります。
ソフトバンクAir(モバレコAir)についてはソフトバンク回線を使っていますが、エリアによって最大通信速度が異なるため、高速通信に対応していないエリアだとあまり速度は出ません。今回は200Mbps前後のエリアで利用しましたが、日中帯は40Mbps前後の速度が出ていたものの、夕方や夜間は20Mbpsまたはそれ以下の速度となり、インターネット接続性としては不安定な印象でした。
上記の図では以前利用したとくとくBB WiMAXの速度を参考に載せていますが、安定感でいえばWiMAXのほうが良い印象です。
動画で解説
YouTube動画でも今回計測した内容を動画で解説していますので以下の動画もあわせてご覧ください。
第2回 通信速度計測結果(2021年9~10月)
第2回目は以下の画像の通り、4つのモバイルWiFi事業者、5機種を手元に集め同時に計測を行いました。
計測日は2021年9月末~10月の期間で実際に使いながら合間に計測を行いました。
計測した端末とモバイルWiFi事業者
- ギアWiFi
- 801ZT ※中速無制限プラン
- 304ZT ※300GBプラン
- どこよりもWiFi
- FS030W
- Broad WiMAX+5G
- Galaxy 5G Mobile Wi-Fi SCR01
- 楽天モバイル
- Rakuten WiFi Pocket 2B
WiFi速度の下り速度の理論値は以下の通りです。回線の種別も掲載しています。
実測値の計測結果
合計3回の計測結果は以下の通りです。
以上の実測値結果内容を以下の表にまとめました。
表:モバイルWiFi4社の実測値結果
WiFi端末 | 計測1回目 | 計測2回目 | 計測3回目 | |
ギアWiFi | 304ZT 801ZT |
16.8Mbps 7.81Mbps |
16.2Mbps 9.49Mbps |
21.9Mbps 9.31Mbps |
どこよりもWiFi | FS030W | 18.5Mbps | 計測不能 | 4.88Mbps |
楽天モバイル | Rakuten WiFi Pocket 2B | 46.7Mbps | 22.7Mbps | 15.3Mbps |
Broad WiMAX+5G | Galaxy 5G SCR01 | 8.94Mbps | 40.3Mbps | 19.3Mbps |
以下、速度について考察していきます。
ギアWiFi
ギアWiFiについては、2種類の端末について速度を計測しています。
いずれもソフトバンク4Gを採用しており、安定して20Mbps前後の実測値が計測できました。
ソフトバンク回線の物理SIMが採用されているため、比較的安定した通信が可能です。
801ZTの端末においては下り速度の理論値が他社よりも低い値、100Mbps前後でしたので今回の計測結果においては速度は若干遅めではありましたが、繋がらないといったことはありませんでしたので接続安定性は高かったです。
どこよりもWiFi
どこよりもWiFiについては、クラウドSIM対応WiFiの端末で計測を行いました。
速度については夕方・夜間の速度は今ひとつの状況でした。昼間は比較的速度は良好で、概ね10-20Mbpsです。
クラウドSIM対応WiFiは月間の通信量が決まっており、月末は通信量を使い切ろうというユーザーが増えるため不安定な通信になりがちです。
また、クラウドSIMはドコモ、au、ソフトバンクの回線を自動で選択、クラウド上で常に接続先の切り替えが発生するため接続不安定になることが多い印象です。
楽天モバイル
楽天モバイルは、首都圏は楽天モバイルの4Gまたは5Gの基地局が増えてきたこともあり、当方のエリアでは比較的安定して速い速度が出ました。
しかしながら、基地局整備が進んでいない地域ではまだまだ安定しない通信、パートナー回線に頼ることが多いでしょう。
今回の計測では楽天モバイルの回線(4G)でWiMAX+5Gに匹敵するほどの速度が出ていましたので、楽天モバイルのエリア内なら速度は期待できそうです。
Broad WiMAX+5G
Broad WiMAX+5Gは、auの4G LTE、5Gのネットワークもスタンダードモードで利用できるようになり、より接続性が向上しています。
1ヶ月間使ってみて、他社よりも高速通信で安定、5GHz帯での通信ならさらに高速通信が可能です(200Mbps以上)。
今回計測したエリアは4Gのエリアではありますが、1ヶ月間使ってみて30Mbps以上でほぼ安定していましたので通信の安定性、速度という点では一番と考えられます。
考察
今回、4社5機種のモバイルWiFiについて3回の計測を行いましたが、まず安定していたと感じたのは物理SIMが搭載されていたソフトバンク回線のモバイルWiFi「ギアWiFi」です。
平均して15Mbps以上の実測値が出ていました。801ZTの機種では下り速度の理論値が100Mbps程度ですので、304ZTよりも遅い速度ではありましたが、比較的どちらの機種も安定していました。
どの時間帯、地域でもだいたい同じような実測値で相当速いとまでは言えませんが、インターネット接続に対して安定感がありました。
どこよりもWiFiについては今回はクラウドSIM対応端末でしたので、若干不安定と感じました。
一部、計測ができないタイミングもあり、夕方、夜間は郊外においても5Mbps前後となっており、速度の遅さを実感しました。
この2つの事業者より高速だったのは楽天モバイルとBroad WiMAX+5Gです。どちらも良いときで40Mbps以上の速度が出ており非常に高速でした。
楽天モバイルは理論値で150Mbpsではありますが、利用者がまだ少ないこともあり40Mbps程度の速度が出たものと思います。対応エリア、地域がまだまだ狭いということでご利用の場所によっては速度があまり出ないという声も聞かれますので若干ギャンブル性があるように思います。
Broad WiMAX+5Gは2021年にリリースされたWiMAX+5Gで新しいWiMAXサービスとなっています。WiMAX2+のネットワークに加え、au 4G LTE, 5Gがスタンダードモードで利用できるようになりましたので、WiMAXかauかで自動選択され、非常に安定した速度が実現可能となっています。
今回は4G LTEのネットワーク内ではありますが、今回1ヶ月ほど使ってみて計測したのは40Mbps以上、良いときで70Mbps程度の速度が出ていました。Galaxyの端末では下り最大2.2Gbpsですので、5Gエリアではもっと速い速度が期待できます。
動画で解説
YouTube動画でも今回計測した内容を動画で解説していますので以下の動画もあわせてご覧ください。
第3回 通信速度計測結果(2021年11月)
第3回目は以下の画像の通り、4つのモバイルWiFi事業者、5機種を手元に集め同時に計測を行いました。
計測日は2021年11月の期間で実際に使いながら合間に計測を行いました。定点観測としてはこれまで通り3地点ですが、使用期間は約1ヶ月間でこの期間に使用した感想も踏まえて解説していきます。
計測した端末とモバイルWiFi事業者
- グローバルモバイル
- 501HW
- 802ZT
- Mugen WiFi
- U3
- E-! WiFi
- U3
- 楽天モバイル
- Rakuten WiFi Pocket 2B
WiFi速度の下り速度の理論値は以下の通りです。回線の種別も掲載しています。
実測値の計測結果
合計3回の計測結果は以下の通りです。
以上の実測値結果内容を以下の表にまとめました。
表:モバイルWiFi4社の実測値結果
WiFi端末 | 計測1回目 | 計測2回目 | 計測3回目 | |
グローバルモバイル | 501HW 802ZT |
21.5Mbps 27.3Mbps |
10.1Mbps 10.4Mbps |
15.0Mbps 20.1Mbps |
Mugen WiFi | U3 | 8.02Mbps | 15.6Mbps | 10.7Mbps |
E-! WiFi | U3 | 18.6Mbps | 計測不能 | 10.9Mbps |
楽天モバイル | Rakuten WiFi Pocket 2B | 12.1Mbps | 6.98Mbps | 21.4Mbps |
以下、速度について考察していきます。
グローバルモバイルのポケットWiFi
グローバルモバイルについては、2種類の端末について速度を計測しています。
いずれもソフトバンク4Gを採用しており、遅くても10Mbps以上、安定して20Mbps前後の実測値が計測できました。
ソフトバンク回線の物理SIMが採用されているため、比較的安定した通信が可能です。
802ZTの端末においては下り速度の理論値が他社よりも高い値、988Mbpsですが、実測値としては同じポケットWiFiの501HWと比較してそれほど速い速度は計測できませんでした。とはいえ、501HWよりも概ね高速となりました。
短期のレンタルWiFiで1日単位での料金が端末によって異なりますが、料金が割安の501HWで十分と思います。
Mugen WiFi
Mugen WiFiはクラウドSIM対応WiFiで人気のモバイルWiFiサービスです。
この業界では比較的老舗にあたる事業者で、多くの利用者を獲得しているサービスとなっています。
今回、モニターとして1ヶ月間借りることができましたのでその一貫として計測を行いました。
Mugen WiFiだから遅い・速いといった考察は難しいのですが、クラウドSIMの特性上、回線の切り替えで速度が出づらくなるなど、不安定なこともありました。
とはいえ、料金が比較的安いので始めやすいモバイルWiFiサービスです。
E-! WiFi
E-! WiFi(イー!ワイファイ)はMugen WiFiと同じくクラウドSIM対応のWiFiです。2021年にサービスインしたばかりの新しいWiFiサービスです。
初月の料金、初期費用を抑えたキャンペーンの取り組みと、オプション加入で割引がアップする特典が用意されています。
Mugen wiFiと同様にサービス品質はほとんど同じです。
実態はMVNOという形で大元の回線事業者から借りてサービス展開を行っているので
楽天モバイル
楽天モバイルは、前回に引き続き2回目の計測ですが、今回は速度はイマイチでした。
楽天モバイルは地域差が激しいといわれており、地域差による速度や接続安定性の解消はまだまだ時間がかかりそうです。
今回は遅い速度で7Mbps前後でしたが1ヶ月間の計測でだいたい20Mbps前後となっていましたので、当方が利用した首都圏エリアでは比較的安定していました。
同じ150MbpsのクラウドSIMのWiFiよりも安定している印象です。
考察
今回、4社5機種のモバイルWiFiについて3回の計測を行いましたが、前回に引き続き、安定していたと感じたのは物理SIMが搭載されていたソフトバンク回線のポケットWiFi「グローバルモバイル」です。
平均して15Mbps~20Mbps以上の実測値が出ていました。802ZTの機種では下り速度の理論値が988Mbpsですので、良いときは40Mbps程度の実測値を計測しています。
どの時間帯、地域でもだいたい同じような実測値で相当速いとまでは言えませんが、インターネット接続に対して安定感がありました。
Mugen WiFiとE-! WiFiについては今回はクラウドSIM対応端末でしたので、今回も若干不安定と感じました。
一部、計測ができないタイミングもあり、夕方、夜間は郊外においても3~5Mbps前後となっており、速度の遅さを実感しました。
楽天モバイルは理論値で150Mbpsではありますが、利用者がまだ少ないこともあり40Mbps程度の速度が出ることもありますが、今回の計測では10Mbpsを下回ることもあり、少し不安定な側面も感じました。
目的別に選ぶなら、ということで考察を行っていますので上記画像も参考にしていただければと思います。
今回の4つのモバイルWiFiで選ぶならということですが、通信の安定性、高速通信の速度で選ぶならポケットWiFi(グローバルモバイル)が良いでしょう。
エリアの広さでもポケットWiFiに利点があります。料金の安さでいえば楽天モバイルが月間1GBまで980円、無制限に使っても2980円ということで安いのですが、総合的にはポケットWiFiが良いという結論です。
グローバルモバイルは短期専用のレンタルWiFiなので1年や2年くらい使うのであれば同じポケットWiFiが使えるギアWiFiなどがおすすめです。
動画で解説
YouTube動画でも今回計測した内容を動画で解説していますので以下の動画もあわせてご覧ください。
計測中のモバイルWiFi
以下は現在計測中のモバイルWiFiで、計測が完了したらこのページを更新し紹介する予定です。
同タイミング、同じ場所での計測で実測値を測って比較していく予定です。
計測完了・集計中
- WiMAX2+
- Speed WiFi NEXT WX06
- ※縛られないWiFi
- WiMAX+5G
- Galaxy 5G Mobile Wi-Fi SCR01
- ※Broad WiMAX+5G
結論、最速のモバイルWiFiは?
今回、1年以上複数回に渡りモバイルルーター等の端末を実際に使って通信速度を計測しました。プロバイダー・ワン管理人としての所感も踏まえ現時点での結論は以下の通りです。
結論として、これまでの計測結果やサービスの特性から、2022年時点ではWiMAX+5Gが最速かつ安定と判断しました。
理由は、WiMAX+5Gはauの4G LTEや5Gの回線が使えるようになった点、そして、下り速度理論値でも他社より圧倒的に高速(下り最大2.7Gbps)という点で最速と考えます。
3日間15GBの通信制限がありますが、それでも速度の面でみれば他社よりかなり高速です。
WiMAXについてはプロバイダーによって速度が異なることはありませんので、どのWiMAXプロバイダーを選んでも端末や速度は同じになります。
WiMAXは毎月のようにキャンペーンが変動しますのでそのときそのときで最安のプロバイダーを選ぶのが賢い選び方です。
以下の記事ではプロバイダーの最安のプロバイダーおすすめランキングを紹介していますので、WiMAX+5Gで選ぶなら参考にしてみてください。
以下、各サービスごとに速度に関する考察を交えて選び方の注意点なども解説します。
モバイルWiFi各社速度の考察と注意点
WiMAX+5G
WiMAXはWiMAX+5Gがサービスの主体となったことで従来のWiMAXとは異なり、WiMAXのネットワークに加え、au 4G LTE, 5Gのネットワークがスタンダードモードで利用できるようになりました。
これが大きく左右し、通信速度は4Gで理論値で下り速度900Mbps前後となり、5Gではさらに高速化されています。WiMAXとしての通信も440Mbps以上は理論値としてありますので、そのときそのときで最適なネットワークが選ばれます。どちらも高速通信が行えるので非常に高速な通信が可能となりました。
今回、複数端末を同時に計測した結果も踏まえても安定感も抜群なので、WiMAX+5Gは安定かつ最速のモバイルWiFiと言えるでしょう。
WiMAXについては以下の記事で紹介していますので参考にしていただければと思いますが、どのプロバイダーを選んでもMVNOとなっているのでプロバイダーによって速度などに違いはありません。
クラウドSIM対応WiFi
クラウドSIM対応WiFiについては多くの事業者が参入したモバイルWiFiサービスで、クラウド上で最適なSIMネットワークを自動選択するもので、ドコモ、au、ソフトバンク回線のいずれかが利用可能となっています。
下り速度の理論値は150Mbpsで、通信量制限が100GB前後で設定されています。
実は多くの事業者が参入している理由として、裏ではMVNOの形となっており、主体となる事業者がクラウドSIMのネットワークを貸している状況で、それらを借り受けて独自の特典などをつけて販売しているのが実情です。
ですので、基本的なWiFi接続のサービス部分は同一ではありますが、クラウドSIMの特性上、ドコモなどの回線をそのときそのときで自動選択されるため、いつも同じ速度になることはありません。
どうしても回線の切り替えが発生するため、接続しにくかったり接続に時間がかかったりすることがよくあります。
もともとの回線は太くはないため、夕方や夜間の速度はイマイチです。平常時で20Mbps以上でれば速度としては良好ですが、遅いときは2Mbps前後とあまり速度が出ないときがあります。
とはいえ、他のモバイルWiFiと比較して月額が安価に設定されていることが多く、利用しやすいサービスとも言えます。
クラウドSIM対応WiFiの料金比較については以下の記事でまとめていますので参考にしてみてください。
携帯キャリア回線(物理SIM)のモバイルWiFi
今回の計測では主にソフトバンク回線の物理SIMが搭載されたモバイルWiFiを利用して計測を行いました。
クラウドSIMとは異なり、物理SIMなので接続先が固定化されていることで通信の安定性は高いです。夕方など繋がりにいくいといったことはありませんでした。
速度については利用する端末次第ではありますが、2021年時点の端末であればクラウドSIMと同等の速度です。
こちらも利用する端末や事業者が通信速度を抑えたりすることもありますので、利用可能な端末の理論値がどの程度なのかは確認が必要です。
ソフトバンクのポケットWiFi
今回はレンタルWiFiやソフトバンクAir(モバレコAir)で計測を行いましたが、ポイントとしては利用する端末によって最大理論値が異なるので、どの端末を使うかによって速度は異なることは認識しておく必要があります。
また、利用するエリアの最大速度についても注意が必要です。
今回計測したモバレコAir(ソフトバンクAir)はAirターミナル1~4まで分かれており、どのエリアで使うかによって最大理論値が異なります。今回計測したエリアは250Mbps前後のエリアでしたのであまり速度は出ませんでしたが、首都圏など高速通信が可能なエリアではさらに速度が出る可能性があります。
ソフトバンクについては5Gのエリアも拡大しつつありますので、今後に期待したいとともにご利用のエリアがどの程度の速度まで対応しているのかは利用する前に確認しておいたほうが良いでしょう。
楽天モバイル
楽天モバイルは楽天4Gまたは5Gが利用できるため、ちゃんと楽天エリアに入れば高速通信ができ、料金も1GBまでは無料という設定のため非常にコストパフォーマンスが良いモバイルWiFiといえます。
私自身も利用していますが、楽天4Gエリアで良いときは40Mbps前後の速度が出るため非常に安定かつ高速通信ができるため満足しています。
5Gエリアも今後拡大傾向にある点と、楽天モバイルのエリア外でも主にau回線が利用できるのでエリア外でも全くインターネットに繋がらないということにはなりません。
ただ、どうしてももともとの通信速度の理論値が150Mbps程度となっているためパートナー回線では低速になりがちです。
楽天モバイル回線のエリア外の方の口コミをよく耳にしますが、全然繋がらない、安定しないという意見も多いためご利用のエリアで使えるかどうかの見極めが必要になってきます。
レンタルWiFi(短期)
短期間向けのレンタルWiFiは、サービスの基本的な考えとして数ある端末を選んで1ヶ月弱の期間借りるような形となりますので、借りる端末よって通信速度は異なります。
多くのレンタルWiFi事業者はWiMAX、ソフトバンク回線のポケットWiFi、docomo、auの回線、クラウドSIM対応WiFiと様々な端末を借りることができるので、その端末で指定された理論値をベースにだいたいの速度を予測する必要があります。
料金を安く抑える代わりに通信量や通信速度を抑えるような取り組みもなされているのでよく調べて借りるように注意が必要です。
短期専門のレンタルWiFiについては以下の記事で速度などもまとめていますのであわせてご覧ください。
速度計測まとめ
いかがでしたでしょうか。
WiMAX+5Gや楽天モバイル、クラウドSIM対応WiFiの通信速度について同タイミング、同一場所で計測を行った結果を発表しました。
現在も端末を入手でき次第、複数まとめて速度比較を行い、忖度なしに速い・遅いといった情報を参考にしていただけたらと思います。
上記項目で示した通り、WiMAX+5Gがau 4G LTEや5Gの回線が標準のモードで使えるようになったことから通信の安定性と高速化が向上し、非常に利便性が高まりました。
モバイルWiFi全般にいえることですが、ご利用のタイミング、場所、地域、周りに使っている人が多いかどうかなど様々な要員で速度に影響が及びます。
その中でも安定して使えることがモバイルWiFiで求められる大きなポイントと考えますので、通信速度が速いことやネットの接続性を重視して選ぶことをおすすめします。
当サイト「プロバイダー・ワン」ではモバイルWiFi全般のポケットWiFiやWiMAXなど通信速度だけでなく、料金の比較を行い、本当にコストパフォーマンスが良いモバイルWiFiは何かということを分析し解説しています。
以下はWiMAXや楽天モバイルなど広義の意味でポケットWiFiの料金や速度などを比較解説した記事になりますので、毎月更新中のキャンペーン情報をご覧いただきながらご検討いただければと幸いです。
このページの速度実測値を参考に、実際の料金と照らし合わせながらご自身にあったWiFiを選んでいただけたらと思います。