個人再生は、自己破産よりも再起をかける可能性を残した借金解決の手法が個人再生(民事再生ともいいます)です。
ここでは個人再生について詳しく解説していきます。
債務整理全般について、借金問題で弁護士や司法書士に依頼することを検討されている方は以下の記事にまとめていますのでご確認ください。
監修者について
監修者プロフィール:株式会社Crepas 代表取締役 牧村和慶
お金や借金の問題について弁護士や司法書士への取材活動を行い、正しい知識を発信して借金問題の解決に尽力している。司法書士や法律事務所への取材実績はこちら
当サイトで表示する内容は以下に記す団体、法律を参考に情報をまとめています。
参考:貸金業法
参考:日本弁護士連合会(日弁連)
参考:日本司法書士連合会
参考:法テラス
個人民事再生とは?
あまり聞いたことがない言葉かもしれませんが個人再生(民事再生、個人民事再生などといいます)は任意整理と自己破産の中間にあるものになります。
簡単に言うと、 借金を減額して返済していくというものになります。
任意整理は債権者と交渉して減額することをいいます。自己破産は裁判所に対して借金を帳消しにしてもらうことをいいます。
民事再生はこの中間なので、借金を減額することを裁判所に申請してそれでもちゃんと返済していくということになります。
精神面で負担にならない、しっかり債権者には返済は続けるということで心理的にも次が見えるということで自己破産よりかは民事再生をおすすめします。もちろん、できることなら任意整理、難しいなら民事再生を行うのが良いと思います。
個人民事再生の減額後の債務
これは法律によって決められています。下記の通りとなります。
- 借金の額が100万円未満
- 弁済金額はそのまま
- 100万円~500万円未満
- 弁済100万円
- 500万円~1500万円未満
- その金額の5分の1を弁済
- 1500万円~3000万円未満
- 弁済300万円
- 3000万円~5000万円未満
- その金額の10分の1
- 5000万円以上
- 民事再生不可
以上が借金の金額に対して支払う債務になります。上記のように5000万円を超えないなら民事再生をおすすめします。メリットは以下より説明します。
個人再生のメリット
民事再生の大きなメリットとして、自己破産とは異なり、財産は0にならないということです。つまり、マイホームを持っていれば売却しなくて良いということです。
自己破産の場合はイメージ的にも良くありませんが、民事再生なら再起をかけて改めてスタートとするというイメージがあります。企業が破綻して、だけど民事再生を利用して改めてスタートするということと同じです。JALもそうでしたね。
債務は減るけど、借金はきちんと返済していく、債権者にとっても自己破産よりこちらのほうがうれしいのです。自己破産になると貸したお金は戻ってきませんので。民事再生なら一部は債務者の返済により戻ってきます。
民事再生は上述したようにマイホームを残せる、債務整理の際に整理する財産を選択できるということが大きな特徴です。マイホーム・自宅が残ればそこに済み続けて借金返済ができます。
個人再生のデメリット
民事再生にも不利な点はあります。借金が減る点や債務整理をする対象を選択できる点は自己破産よりメリットがありますが、デメリットはほぼ同じと思ったほうが良いでしょう。
例えば弁護士事務所などに支払う諸費用はどうしても必要です。また、官報といってその個人が民事再生を行ったという通告はされます。つまり、カードや銀行相手に苦労することがあるかもしれません。
その点は自己破産のデメリットを参考にしてみてください。
個人再生はどこに依頼するべき?
借金問題を解決する上で、任意整理なのか個人再生か自己破産かを正しく判断する能力が求められます。
自分自身でも手続きは可能ですが、どうしても知識と時間が必要なため一般的な会社員の方が行うには物理的に難しい場面も多くあります。
そういった場合は弁護士や司法書士に依頼することになりますが、どのような観点で事務所を探せば良いか難しいのが現状です。
ポイントは債務整理について実績が豊富で自己破産や個人再生もしっかり件数をこなしているかどうかで事務所を選ぶと良いでしょう。
安易に自己破産を勧めるような事務所は除いて、しっかり状況を把握した上で適切な対応として個人再生を選択することについては問題ありません。
まずは任意整理による減額の和解交渉や過払い金請求をしっかり確認した上での判断となりますので、債務整理を専門に対応されている事務所がおすすめです。
以下の記事で個人再生や自己破産に強い事務所をまとめましたので確認してみてください。
まとめ
それでも個人民事再生は自己破産より良いというのが結論です。
できれば任意整理で解決したいところですが、どうしても苦しい場合には自己破産ではなくて民事再生をおすすめします。
自己破産は本当に破産ということで世間的なイメージが悪いです。将来ずっとつきまとってきます。
民事再生であれば再起をかけてがんばるというイメージはありますので将来に向けて心理的な負担は少ないでしょう。
まずは、任意整理、その後、民事再生を検討してみてください。
個人再生と自己破産、任意整理との比較については以下の記事で解説していますのであわせてご確認ください。