一般的な病気とは違う「不眠」。病院ではどんな診療を受けるの?
実際に不眠治療を受けた体験談を口コミとして紹介、そこで分かったこと・感じたことを自分なりに解説していきます。
不眠治療の診療とは?
不眠症状の診察、問診で生活習慣をヒアリングすることからはじまります
不眠治療専門では、いったいどんな診察が行われるのか…不安に感じるひとも多いかと思います。
一般的には問診票に記入し、睡眠時間や生活習慣、病歴などを書きます。
その後の診察で詳しくヒアリングを受け、必要に応じ検査を実施。具体的な検査とは、実際の睡眠時間を記録する睡眠日記や行動計、心理テスト、血液検査、終夜睡眠ポリグラフなどがあります。
そして総合的に医師が診断をし、治療へ進む流れとなります。
実際の診断で多い不眠の原因はどんなことが多い?
一般的な事例では、夜更かしによる睡眠リズムの乱れやストレス、うつ病が不眠の原因と診断されます。
次に多いのは、睡眠時無呼吸症候群。睡眠中に気道がふさがれ、呼吸が止まる症状が代表的。
気道が狭くなりいびきがひどい状態にある人は睡眠時無呼吸症候群になってしまうとされています。
参考:睡眠時無呼吸症候群(国立病院機構・近畿中央病院センター)
おおきないびきで眠りが浅く、高血圧や心筋梗塞など招く恐れがあります。治療では専用マスクで鼻から空気を送りこむ方法や、気道をひろげるCPAP(シーパップ)という治療、マウスピースを使用することもあります。
睡眠時無呼吸症候群と同じ程度多い原因に、ナルコレプシーがあります。日中、突然つよい眠気で寝てしまう症状です。
睡眠発作状態で、脳内の神経伝達物質オレキシンをつくる神経細胞が働かなくなることが原因。
睡眠不足をさけ規則正しい睡眠をとり、計画的に30分以内の昼寝をするなどの治療を行います。
中枢神経刺激剤や抗うつ剤、睡眠導入剤など薬物療法をとる)など睡眠に以上の出る病気です。
また特殊な例ですが、10時間以上必要なロングスリーパーや、逆に短時間の睡眠で足りるショートスリーパーなど、体質が問題の人もいるようです。
また睡眠中、足がむずむずして眠れなくなるむずむず脚症候群、脚がぴくぴくと動く周期性四肢運動障害、眠っているときに動きだす睡眠時随伴症候群なども診断されることがあります。
参考:周期性四肢運動障害(国立精神・神経医療研究センター)
参考:睡眠時随伴症候群(厚生労働省)
参考:スリープメディカルクリニックでいびき治療体験
診察後の治療、どんな治療法の種類があるの?
一つに漢方による治療があります。漢方は、医師が五感をつかって証を決定します。
証を診断場合に用いられる方法は四診と呼ばれ、望診(顔色・表情・舌の状態・動作を観察する)、問診(生活習慣など尋ねる)、聞診(音やにおいを聞く・声の調子や体臭を耳と鼻で聞きとる)、切診(皮膚や筋肉、拍動など触れて調べる)の内容です。
虚証か実証か気・血・水のどこに問題があるかを見極めます。
このような診察のため、メイクや香水は診察時ふさわしくありません。
顔色や爪の状態も診察対象となるため、マニュキュアもNGです。またときには体臭で判断したり、舌の苔の状態も観ることがあります。
大きく分類すると、薬を使用する方法とそれ以外の治療法に分類することができます。
薬を使用しない治療法
主にその人の日常的な行動やストレス解消に関わる治療方法が行われます。
薬を使用しない場合は主に以下の5つの治療法が検討されます。
睡眠衛生指導 | 正しい睡眠リズムを身につけます。具体的には、睡眠に対する誤った知識を直します。質のよい睡眠をとるための工夫や正しい睡眠や生活リズムの知識など教わります。 |
認知行動法 | 不眠症状から眠れない…と意識が働くのでその意識をあらためることを教わります。具体的に、眠くなるまで寝室にいかない、ベットで本を読むなど睡眠以外しないとなど、日常の行動を見直します。 |
高照度光療法 | 体内時計リセットする高照度光療法を行います。具体的に、朝1~2時間、光治療器で強い光を浴び、夜にメラトニン分泌を増えるようにします。強さは3000~10000ルクス程度(※実際、くもりの日の場合は2500ルクス)。朝はカーテンをあけて自然光をあびる習慣を身につけます。 |
精神療法 | ストレス対策を身につける精神療法(心理面の治療で不眠の原因をとりのぞき、不眠・ストレスに対する気持ちや考え方をかえていく)を行います。 |
筋弛緩法 | ストレスで筋肉が緊張して不眠状態になっているときに指導を受けます。具体的には筋肉の緊張をゆるめる方法(漸進的筋弛緩法と自律神経法)が一般的です。 |
薬や漢方薬を使用する治療法
睡眠導入剤や睡眠改善薬、漢方薬を利用します。以下の記事も参考にしてみてください。
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